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化学製品業界トレンド:2022年 オランダ

外国企業との競争が激化
28 Dec 2022
オランダの化学品事業の利益は、2021年に販売が好調に推移したことで増加しましたが、2022年第2四半期以降は減少に転じており、さらに悪化するでしょう。 化学製品業界トレンド:2022年 オランダ 外国企業との競争が激化     [Asset Included(Id:1657027197932;Type:AT_Media_C)]     オランダの化学製品生産量はエネルギー価格の高騰と原材料供給 上の制約で、2022年はおよそ4%下がる見込みです。2023年は一 次産品の供給問題は緩和され、生産量の減少率はおよそ1%に下が ると見込んでいます。 国外のライバル企業(特に米国)では現在、エネルギーコストがや や下がる傾向にあります。オランダや欧州の化学製品メーカーに とって、エネルギー調達コストの大幅な上昇分を最終消費者に転嫁 するのが難しいのはこういう事情によります。フル稼働すると採算 が合わないため、減産や稼働一時停止に踏み切るオランダの化学製 品メーカーは増加しました。化学製品メーカーが供給する中間生成 物は、ゴム業界、プラスチック業界、家具業界に納入されます。生 産面で制約があると、これらのセクターの生産能力に悪影響があり ます。     [Asset Included(Id:1657027197970;Type:AT_Media_C)]     2021年は販売が底堅く、利益率は拡大しましたが、2022年第2 四半期には減少が始まりました。今後数か月間はさらに悪化する でしょう。支払遅延や倒産の件数は2021年から2022年第3四半期 までは非常に低いレベルでしたが、2023年は大幅に増加するで しょう。この根拠となるのは、高いエネルギー価格、一次産品不 足、外国企業との競争激化のトリプルパンチです。ガス価格の今 後の動きとガス供給制限の下振れリスクに左右される要素が大き いでしょう。エネルギーコストが売上の最低7%を占めるオランダ の中小企業は、「エネルギー集約型中小企業向けエネルギー費用補助制度(TEK)」により、2022年11月1日から2023年12月末ま での期間にわたって最大16万ユーロの補償を受けられます。 2023年の化学製品企業の倒産の増加は、全オランダ企業の77% (当社予測)を大きく下回るものと当社では見込んでいます。こ の増加が非常に低いレベルにとどまることからも、COVID以前の 通常レベルに戻るものと見られます。 大方の企業、特に多国籍企業の強固な財務状況により、現時点で はオランダの化学製品業界の信用リスク状況は「Fair(良好)」 と当社では評価します。しかし、課題は山積みです。オランダの ガス価格高騰がさらに長期にわたって続くと、化学製品生産拠点 の新規投資先がエネルギーが安価な市場に流れる可能性がありま す。環境規制が厳格化しつつあるうえに、「グリーン性のより高 い」製品の消費者需要の高まりもあって、環境基準対応向けのさ らなる投資も課題となるでしょう。