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出版物

支払動向バロメーター日本2024

安定したB2B支払動向が日本企業に対するキャッシュフローのリスクを隠している
26 Sep 2024

安定したB2B支払動向が日本企業に対するキャッシュフローのリスクを隠している

当社の調査では、過去1年間のB2B顧客の支払動向について、日本企業の評価はまちまちであることがわかりました。企業の33%が支払動向の改善を報告していますが、繊維/衣料品業界の多くの企業は悪化していると回答しています。日本企業のほぼ半数が支払動向は安定していると回答していますが、B2B顧客からの支払いは一貫しており、信頼性があるとしても、キャッシュフローに影響を与える根本的な財務リスクが依然として存在する可能性があります。支払いがきちんと行われていても、時折発生する遅延やその他の混乱など、企業の流動性や全体的な財務の安定性に影響を及ぼす可能性のある潜在的な問題が隠れている場合があります。

日本企業を待ち受けるより厳しい金融環境

当社の調査では、B2B顧客の支払動向の見通しについて日本企業の間でさまざまな意見が見られました。企業の43%は、今後1年間で支払動向に大きな変化はないと考えていますが、対照的に、42%は顧客が請求書の決済を迅速化すると予想しています。 

悪化を恐れている企業は少数です。売掛金回転日数(DSO)の見通しについても同様に意見が分かれており、49%の企業が変化なしと予想し、35%が今後数か月で改善すると予想しています。繊維/衣料品部門ではDSOの悪化が予想されており、先行き不透明な状況においてキャッシュフローと財務の健全性を守るための積極的な信用リスク管理が求められています。

Summary
  • 日本企業のほぼ半数が、過去1年間のB2B顧客の支払動向に大きな変化はなかったと報告しています。企業の33%は支払動向が改善していると回答していますが、繊維/衣料品部門では悪化が見られます。
  • このように比較的安定した支払動向にもかかわらず、B2B信用取引相手からの支払遅延は、日本企業にとって依然として大きな課題となっています。現在、B2B請求書の平均45%が支払期限を過ぎており、不良債権はB2B請求書全体の平均6%を占めており、財務の健全性に深刻な影響を及ぼす可能性があります。
  • 日本企業の間では、B2B顧客の支払動向の見通しについて比較的楽観的な見方が広がっています。企業の43%は今後1年間の支払動向に変化はないと予想していますが、42%は特に鉄鋼/金属部門での改善を予想しています。悪化を予想している企業は少数です。