2022年版アトラディウス支払動向バロメーター(アジア編)により、回収不能として償却されたB2Bの貸倒償却額が急増していることが明らかになりました。これは、企業の流動性が制限されることを意味します。
はじめに
2022年版アトラディウス支払動向バロメーター(アジア編)の調査結果を見ることは、企業は事業の運営で現在の厳しい経済状況や取引環境の破壊的な影響にどのように対処しているのかを、企業から直接知る貴重な機会です。
取り上げるトピック:企業間(B2B)顧客に対する支払条件、延滞したB2B請求書を現金化するまでの平均時間、支払遅延や不払が企業に与える影響、今後数か月間で予想される収益性への課題など。
当アンケートは、2022年第2四半期にアジア市場(中国、香港、インド、インドネシア、シンガポール、台湾、アラブ首長国連邦)で事業を展開する企業によって回答されたものです。また、今年初めて、ベトナムの企業も調査対象としました。調査対象企業の回答は、2022年6月版アトラディウス支払動向バロメーター(アジア編)に掲載されています。
レポートの重要なポイント
厳しい経済状況や取引環境による破壊的な影響にもかかわらず、アジアで実施した調査から、B2B顧客との信用取引は幅広く行われていることが明らかになりました。信用取引の要請に同意する意思があると回答した企業の数は、前回より20%増加していました。
B2B顧客からの支払遅延や不払いは、アジアの大多数の企業にとって深刻な問題です。調査対象となった企業は、流動性が制限される原因となる貸倒償却額の急増(2021年の調査から60%増)に特に不安を感じています。
主にB2Bの未払い債権が増えたことによって追跡のコストがさらに上がったため、顧客の信用リスクへの対応は企業にとって大きな負担になっています。戦略的信用管理の必要性が調査のテーマになった理由もここにあります。調査対象となったアジア企業の約10社のうち7社が、信用リスク管理を信用保険に委託しているか、特定の取引金融ソリューションを購入していると回答しています。
アジアにおける主な調査結果
アジア市場における調査結果の詳細については、「2022年アトラディウス支払動向バロメーター(アジア編)」をご覧ください。本ウェブサイトからダウンロードできます。
ダウンロード可能なレポート:
- 中国:債務不履行の影響によるキャッシュフローの悪化
- 香港:取引信用リスクが増加傾向
- インド:不良債権の水準は依然として高い
- インドネシア:流動性の問題が拍車をかける支払い不履行
- シンガポール:債権償却増によって企業はダメージ
- 台湾:不良債権が急増
- ベトナム:B2B取引における貸倒償却による事業流動性の悪化
- アラブ首長国連邦:企業が戦略的与信管理を強化
アジアにおけるB2B決済の概要 - 業種別
アジアの各調査対象市場における業種別のB2B決済動向に関する詳細情報は「2022年アトラディウス支払動向バロメーター(アジア編)」を構成する市場レポートに掲載されています。各市場レポートの対象となる業種:
- 中国:化学/製薬、電子機器/ICT、運輸
- 香港:化学/製薬、耐久消費財、建設資材、電子機器/ICT
- インド:化学/製薬、耐久消費財、電子機器/ICT
- インドネシア:農業・食品、化学/製薬、電子機器/ICT、製紙
- シンガポール:農業・食品、化学/製薬、建設、電子機器/ICT、機械
- 台湾:化学・製薬、電子機器/ICT、機械、テキスタイル/衣料
- ベトナム:農業・食品、化学/製薬、耐久消費財、鉄鋼/金属、テキスタイル/衣料
- アラブ首長国連邦: 農業・食品、化学/製薬、耐久消費財、電子機器/ICT、鉄鋼/金属
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