カントリー・レポート 日本 2020

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2020/05/06

新型コロナウイルスがすでに弱体化している経済の打撃に.

2020 Country report Japan - Performance forecast

経済情勢

新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)で経済活動が停滞

日本のGDPは2020年に6%近くのマイナスとなる見通しだ。これは、新型コロナウイルスの感染拡大阻止に向けた政府の施策が国内支出を大きく抑制すると同時に、世界的な景気後退とサプライチェーンの混乱が製造業企業や輸出業者の痛手となることによる。

新型コロナウイルスの感染拡大による影響は、すでに悪化の兆候を示していた日本の経済を襲った。輸出の伸びは2019年に鈍化したが、この背景には世界的に貿易、製造の拡大ペースが減速したことと中国からの需要減少、保護主義リスクの高まりがあった。昨年は中国と他の地域諸国の景気が減速する中で円高は持続し、日本の輸出競争力を圧迫した。同時に、2019年10月に消費税率が8%から10%に引き上げられると、その直後に物価が上昇した一方、消費支出は減少した。こうした要因のすべてが2019年10-12月期(第4四半期)の大幅な景気縮小を招き、GDPは前期比6.3%のマイナスとなった。

新型コロナウイルスの感染拡大阻止を狙った施策や最低賃金の引き上げ凍結、失業者の増加を背景に、家計消費は2020年に5%超縮小する見通しだ。小売売上高は、非必需品の売上減少に足を引っ張られる格好で6%超の落ち込みを示すとみられる。同時に、新型コロナのパンデミックが情報通信技術(ICT)部門の回復を阻み、自動車メーカーが相次いで生産の一部停止を発表しているほか、国内外の機械需要が減退していることから、鉱工業生産は19%超減少すると予想される。輸出は、アジアの主要な貿易相手国(特に中国)と米国からの需要が急激な縮小を示しているため、2020年に前年比15%超減少する見込みである。

新型コロナウイルス関連の混乱に影響を受けた企業や個人を支援するため、政府は2020年4月に経済対策の規模を1.1兆米ドルに拡大した。これには、個人への直接的な現金給付や融資制度の拡充、雇用調整助成金、税金と社会保険料の支払猶予、中小企業向けの緊急経済対策などが含まれる。

その他、日銀は潤沢な流動性を供給する計画を発表している。同行は2020年3月に金融緩和を強化し、上場投資信託(ETF)などのリスク資産の買い入れ額を倍増したほか、新型コロナウイルスの感染拡大に苦しむ企業への貸出拡大を狙いその原資を最長1年間ゼロ金利で金融機関に供給する融資プログラムを新設している。

企業倒産は急増する見通し

景気低迷を背景に、企業の倒産件数は2020年に9%増加すると予想される。特に小売、輸送、ホスピタリティ部門で倒産が深刻化するほか、輸出依存度の高い企業ではICT関連製品を中心とした(特に中国からの)需要の縮小が打撃となるだろう。

2021年にはGDP成長率が4%程度に回復すると予想されるが、力強い回復の実現は引き続き複数の下振れリスクの動向に左右される。新型コロナのパンデミックの規模が拡大し期間が長期化すれば消費者信頼感は低位にとどまり、金融市場のボラティリティは高まるほか、世界経済の縮小がさらに深刻化することになりかねない。また、米中貿易戦争がさらに過熱した場合や、保護主義傾向が強まった場合にアジアのサプライチェーンに悪影響が及び、それが日本に多大な被害をもたらすおそれもある。

財政は引き続き長期的問題

放漫財政を長期間にわたって続けてきた日本政府は、莫大な規模の公的債務(2019年に対GDP比225%超)に苦しめられている。また、新型コロナウイルスに関連した財政出動により、公的債務は2020年に対GDP比240%超に膨らむ見通しだ。ただ、日本の政府債務は大部分が国内で賄われているため(その約90%を日本の投資家が保有)、その資金調達基盤は資本逃避にさほど影響を受けない。

だが、そうした巨額の債務を維持するにはコストがかさみ、これ以上拡大すればある時点で持続不可能となる。人口は減少傾向にあり、生産年齢人口も縮小している。適切な措置なしでは、日本は今後、縮小する課税ベースと並行して、退職給付金の増大による支出の拡大に対峙せざるを得なくなるだろう。

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