アトラディウス経済見通し 2020

エコノミックリサーチ

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2020/06/25

新型コロナウイルスの急速な拡大により、先進国と新興国の両方の経済に大きな打撃を与えている。ロックダウンは消費機会を減少させ、多くの企業が休業に陥ったことで供給サイドのショックを引き起こしている。2020年の現在、世界経済が直面している景気後退は、2008年~2009年の間に起きた金融危機よりも深刻である。2021年には堅調なV字回復を実現できるかは、非常に不透明感が高い。

  • 世界GDP成長率は、2020年が-5.0%の景気減速、2021年に6.5%の堅調な回復を予想している。経済回復は、ワクチンの開発と投与、あるいは、ソーシャルディスタンシングが経済活動に及ぼす影響を世界がどれだけ克服できるかにかかっている。
  • 新型コロナウイルスの感染拡大以前からすでに低調だった貿易成長率は、コロナウイルスにより需給面での圧力に直面したため、急激に減少している。2020年、世界貿易は約15%の縮小が予想されている。
  • すべての先進国が、多かれ少なかれ新型コロナウイルスによるパンデミックの影響を受けている。先進国経済全体として見ると、GDPは2020年に-6.6%の景気減速、2021年には6.0%増の回復という道筋を辿ると予想している。
  • ユーロ圏ではパンデミックの最悪期は終わったと思われるものの、2020年は歴史的な景気後退に直面している。この打撃を和らげるため、大規模な財政刺激策が出動されている。
  • 米国では、中国との貿易戦争によるマイナスの影響により、ロックダウンによるマイナスの影響にさらに拍車がかかっている。景気後退が雇用に大きく影響を与えており、失業率は劇的に上昇している。
  • 日本は、景気後退対策としての金融政策の余地が限定的で、2020年は大きな景気減速に向かっている。観光業の収益が激減している。
  • おそらく、中国を除くすべての主要新興国が、2020年に景気後退に直面すると予想される。景気後退の深さは、感染者数の変化を示すグラフの様子、政策的措置の効果、商品価格の下落による影響の程度など、国によって大きく異なる。