アジア：パンデミックによる景気後退で全売掛の半分が延滞

イントロダクション

2021アジア支払動向バロメーター調査は、パンデミック時期の取引経験について企業から直接意見を聞く、タイムリーな機会を提供します。経済の悪化および国際サプライチェーンにおける大混乱により、企業は与信の方法や、売掛金の管理を修正する必要がありましたか？企業は売上元帳を未払いリスクから守るためにどのような措置を講じましたか？

今回の調査アンケートは、世界保健機関がCovid-19を世界的大流行と宣言した翌年の2021年第2四半期に、アジア（中国、香港、インドネシア、シンガポール、台湾、アラブ首長国連邦）で調査された市場全体の企業にご回答いただきました。調査にご協力いただいた企業からの回答は、アジア向けアトラディウス支払い動向バロメーター 2021年6月版に報告されています。

主要な結論

このレポートの作成時点では、多くの主要国でのワクチン接種の開始や、米国の大規模な財政刺激策により、2021年の世界経済は堅固な回復が予測されます。しかしながら、重要なリスクはまだ残っています。コロナウィルス感染の症例数は多くの国では減少している一方で、東南アジアや台湾での最近の感染数の増加、さらにインドにおける急激な増加は、この地域における短期的な経済回復に脅威を与えています。主要な経済国における、事業および貿易環境の将来的な発展に関して予測することは、いまだに困難です。 しかしながら、今後数か月間は現在よりも見通しが明るいことを示す兆候があります。

このような背景の中、アジアで調査を行った企業は、クレジットの価値を効果的な貿易ツールとして認識し、世界経済の回復に貢献する可能性を認識しています。

アジアの調査結果

今回の調査対象国におけるB2B支払い慣行および全体的な調査結果の詳細については、アジアリージョナルレポートまたはアジア向けアトラディウス支払い動向バロメーター 2021年版を構成する専用レポートを参照してください。

• アジア：パンデミックによる景気後退で全売掛の半分が延滞
• 中国：アジアの他国に比べ、より多くの企業が貿易信用保険を利用することを計画
• 香港：企業のほぼ半数が与信管理のコストの増加を報告
• インドネシア：アジアの他の企業よりも支払い遅延の問題に直面
• シンガポール：信用リスクの増加は輸出入経済に影響
• 台湾：輸出中心の企業は警戒感を表す
• アラブ首長国連邦：売掛金回転日数上昇傾向が企業の最大の関心事

業界別B2B支払動向バロメーター概要

今回の調査対象国における業界別のB2B支払い慣行の詳細は、アジア向けアトラディウス支払い動向バロメーター 2021年版に含まれています。レポートで記載されている業界はこちら：

• 中国: 農産食品、化学薬品/製薬、およびICT /エレクトロニクス
• 香港: 耐久消費財、 ICT /エレクトロニクス、およびテキスタイル/衣類
• インドネシア: 農産食品、化学薬品/製薬、および耐久消費財
• シンガポール: 農産食品、化学薬品/製薬、および建設
• 台湾: 化学薬品/製薬、ICT /エレクトロニクス、およびテキスタイル/衣類
• アラブ首長国連邦: 農産食品、化学薬品/製薬、および鉄鋼/金属